令和5年度 高校柔道部3年生送別会

令和6年2月12日(月)に本校の大谷記念講堂において、高校柔道部の3年生送別会が行われました。

 送別会の前には、10時00分より本校柔道場にて3年生VS1・2年生の記念対抗戦を行い、全員(12人)戦は12-0で、5人戦は2-0でともに3年生が勝利し、とても盛り上がる試合となりました。また、サプライズのスペシャルマッチとして、最後に3年生の杉山力人とお父様との対戦が行われました。最後は体力負けで力人が投げて崩したところを、すかさず腕十字固をとり、力人の一本勝ちとなりました。
 
 送別会は高校2年生、1年生の保護者(柔道部後援会)が中心となり、企画、運営を行っていただき、14時00分から約2時間の会となりました。

 今年度は12名の卒業生がおり、卒業生には柔道部師範の光本先生やOB会長の薮田先生からの祝辞や、監督の金谷先生からの個々の3年間の思い出話もあり、記念品として額入りの記念柔道衣、黒帯が授与され、「卒業」ということを実感したのではないでしょうか。

 今年度の3年生のチームも、入学時からコロナによる制限が多く、満足のいく稽古ができないこともありましたが、そのような状況でも常に意識は高く、全国大会出場、そして日本一を目指して日々懸命に取り組んでくれました。また、3年生同士がとても仲が良く、キャプテンの滝川暁央を中心にとても雰囲気の良いチームを作ってくれました。また、滝川が柔術のスペシャリストということもあり、チーム全体で寝技の意識が上がり、それぞれ寝技の必勝パターンを持つ選手が多くなり、寝技で勝つ試合が大幅に増えました。報徳にとって、とても有難い流れを作ってくれました。
 
 団体戦では、2年時、県新人戦では準々決勝で1年生に強敵がいる東洋大姫路と対戦。結果、相手の1年生2人をきっちりと引き分けて、3-0にて勝利。続いて、準決勝では優勝した育英高と対戦。次鋒の新本が納庄選手に指導2で勝ったものの他は力及ばずで1-3にて敗退となりました。
 3年生の県総体では、準々決勝にて同じ阪神地区の市尼崎と対戦。先鋒の前中が危なげなく引き分け、次鋒の山内、中堅の新本が攻める柔道を展開し、ともに反則勝ちとなりました。副将は一瞬の隙をつかれ一本負け、2-1で大将戦を迎えることとなりました。一本負けすると代表戦になってしまうという状況で、大将の杉山は66kg級ながら、相手大将の100kg級の選手をタイミング抜群の小内巻込みで2度投げて一本勝ちとなり、勝利することができました。準決勝では、新人戦で敗退した育英高との対戦。何とか勝ちたい一心で挑みましたが、相手の方が一枚上手で結果0-4で敗退となりました。ただ、最後の試合は3年生の意地が見られる試合が多く、小さいながらにこの学年の底力を見ることができました。

 個人戦では、2年時の県新人戦で73kg級新本慶が安定した戦いぶりで優勝。その後の全国選手権決定戦も新本が苦しい試合もあったものの73kg級にて優勝。新本の全国選手権は、1、2、3回戦と強敵者との対戦でしたが、順調に勝ち上がり、準々決勝にて沖学園の川端選手と対戦。1分過ぎのところで相手の背負投をまたぐ形になり、そのまま場外際で技有を先取されました。そこで開き直り、直後の組手で勢いよく持つと相手が腰を引く姿勢になったため、強引に腰車で投げに行ったところ、相手がブリッジの体勢で受けたことにより相手に反則が与えられ一本勝ちとなりました。ブリッジと判定されなかったとしても技有と判定されるであろう投げであったため、新本の勝ちたいという気持ちが前に出た良い場面でした。良い流れのまま準決勝を迎えたため、準決勝は常に強気で戦うことができました。試合中盤に相手が前技に来たところに合わせて小外刈を仕掛け、技有を奪うとそのまま横四方固にて抑え込み、合技にて一本勝ちとなりました。決勝は、高校1年時から全国総体(インターハイ)にて優勝(2連覇)をしている東海大相模の木原選手との対戦。試合中盤に相手が両襟を持った状態での内股を最後まで回し切り、新本はそれに耐えることができず尻もち気味に背中をつき、技有を先取されました。その後、片方の襟と袖を持って隅返で投げに行き、あと少しで技有かという場面はありましたが、相手の組手に圧倒されて思うように反撃することができず試合終了となりました。日本一まであと一歩という悔しい結果ではありましたが、持っている力を十分に発揮し本当に素晴らしい試合をしてくれました。
 3年生になり、県総体では県新人に続き73kg級新本が優勝確実と思われていましたが、勝負の世界は厳しく、神戸国際附の淵上選手に背負投で攻め込まれ、GSに入ってから消極的指導を取られ、準優勝という結果に終わりました。その悔しさを県民大会でぶつけ、県民大会では73kg級にて優勝。兵庫県の代表選手として鹿児島県で行われた国民体育大会に出場しました。国体では千葉県の髙橋選手(73kg級インターハイチャンピオン)と対戦し、技有を先取された後に、豪快な大外刈で技有を取り返したものの、終盤に攻め込まれ指導2での悔しい敗退となりました。
 満足のいく結果ではなかったと思いますが、新本以外にも、県大会で多くの選手(60kg級前中恒亮、66kg級杉山力人、73kg級滝川暁央)が3位以上に入賞し、輝かしい成績を残してくれました。

 3年生全員、この3年間で努力をしてきた過程は、今後の人生において必ず役立ちます。また、大きな自信になると思います。この3年間で悔しいと思ったことを忘れずに、常に前向きにそれぞれが進む道でさらに努力して成長し、必ず花が開くことと思います。

 この報徳学園柔道部で3年間、6年間頑張ったということを自信にし、しっかりと胸を張って、堂々と巣立ってもらいたいと思います。

在校生からの言葉の前に、3年生それぞれの試合での一番お気に入りの投げた場面の動画をまとめたものを上映し、その後在校生から先輩たちに贈る動画を上映しました。3年間が思い出されとても感動することができました。また、その後は現主将の来馬悠仁が代表して在校生からの言葉として感動的な言葉を送り、卒業生たちの心に大きく残るものとなりました。

 さらに、今年度もイベントにて卒業生が両親に花束と感謝の手紙を渡しました。時間の関係上、その場での手紙の読み上げはありませんでしたが、今までの感謝の気持ちがたくさんこもった素晴らしい手紙を書いてくれていました。
 
 この3年間はやはりご両親の支えがあってこそのものだということを改めて実感し、在校生にとっても良い刺激になったのではないでしょうか。

 3年生はこれから大学や社会へと進みますが、それぞれの場でさらに飛躍してくれることを期待しています。「以徳報徳」「積小為大」の精神を忘れずに、精一杯頑張ってください!

 3年間、もしくは6年間卒業生の保護者の皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。これからも変わらず報徳柔道部をご声援いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、高2、高1の柔道部後援会の皆様には、今回の送別会を開催するにあたりまして、企画や運営を行っていただきまして、誠にありがとうございました。御礼申し上げます。

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